もくじ
ハイヤーセルフというのは、ひとことで言うと『宇宙の意識』です。
宇宙に意識があるの?と不思議に思われるかもしれませんが、人間が物質(肉体)と意識とで構成されているように、宇宙も物質と意識(エネルギー)の両方でなりたっているのです。
そしてこの宇宙の意識、『宇宙意識』というのが、一般に『神』と呼ばれている存在であると考えてもらってもいいでしょう。
この宇宙意識というのはテレビやラジオの電波のように地球全体に飛びかっていて、心の中にあるチャンネルを合わせることでちゃんと受信できるのです。
だからむかしから神の預言を受けたり、触れるだけで病気を治したりといったような不思議な力を発揮する人がいるのです。
また、この宇宙意識の一部は生まれたときから人間の心の奥底にも宿っていて、これがハイヤーセルフと呼ばれるものになります。
ですからハイヤーセルフという呼び名以外にも、宇宙意識、超意識、集合意識などと呼ばれることもあります。
ときにはスピリットガイド、守護天使(ガーディアン・エンジェル)、守護霊などと混同されることもありますが、人によっておなじものを指している場合と違うものを指している場合とがあるので注意しなければなりません。
ハイヤーセルフのほうは、守護霊のようにあなたを守ってくれる霊的な存在(他者)ではないからです。
『ハイヤー(ハイアー)=より高い、高次の』、『セルフ=自分』という名のとおり、おおもとの宇宙の意識とつながっているあなた自身の意識なのです。
それはあなたの意識のもっとも深いところにあって、だれもが知っている言葉で言えば『魂』とか『霊』、あるいは『神』と呼ばれているものになります。
人間は小宇宙であるとか、神の子であると言われることがありますが、それは実際に宇宙と同一の意識、魂を宿しているからなのです。
ハイヤーセルフとは宇宙意識であり、宇宙意識は神とも呼ばれているものであることがわかりました。
そうとわかっただけでも、人生が大逆転しそうな期待がふくらんできますね。
それでは、そんな人生を劇的に変えてくれるパワーはどこからくるのか、その源である宇宙のしくみや一般に神と呼ばれている宇宙意識についてお話しておきましょう。
宇宙というのは、さきにお話したとおり物質と意識でできています。
物質というのは、わたしたちが暮らしている地球も含めた星がそうですし、わたしたち人間も原子、分子があつまってできている物質ですね。
そして意識というのは、この宇宙すべてを動かしているしくみやそのエネルギーのことになります。
広い意味ではこの物質と意識とをあわせたもの、すなわち宇宙全体をさして神ということもあります。
ただ、この世をなんらかの意志をもって支配している存在、わたしたち人間の助けとなる存在として神様という場合は、宇宙の意識のほうだけを指していることになります。
『人間は小宇宙である』とか、『神は自分に似せて人間をつくられた』と言われることもありますが、それは本当なのです。
人間も、物質(肉体)と意識(顕在意識、潜在意識、幽体、ハイヤーセルフ)のふたつで構成されていますね。
また、心の奥にはちゃんと神である宇宙意識、ハイヤーセルフも宿っています。
だから、新宗教の教祖様が『私は神である』なんて言っていますが、あれもけっして誇大妄想でもウソ、ハッタリでもなんでもなく本当のことなのです。
ただ、それを信じている信者さんもみんな神なのですが・・・
いずれにしても、宇宙や神とはどのような存在なのか、少しだけ理解していただけたかと思います。
でも神様が本当にいるのなら、なぜ人願は戦争や病気、貧困などがこの世からなくならないの?という疑問がわいてくるかもしれませんね。
無神論者を自認する人たちは、それを根拠に『だから神なんかいないんだよ』と口をそろえて言いますからね。
じつは、この世に不幸や災難がなくならない理由は人間が神(宇宙意識)から心をはなしてしまったからなのですが、なぜそうなったのかというところから順をおって説明していきましょう。
神が意図してそうしたのか、気まぐれでそうしたのかはわかりませんが、人間という生物がつくられたときに、心の最深部に神の一部が分けあたえられました。
それが、ハイヤーセルフと言われるものになります。
神道ではこのハイヤーセルフのことを魂、あるいは分霊(わけみたま)と呼んでいて、この分霊は人間だけでなく神社や山など特定の土地にも鎮まっています。
ですから、ほんらい人間はそんな聖地と同様に、特別に神聖な存在なのです。
そんな神聖な魂は、肉体(脳)から発する意識(顕在意識、潜在意識)と霊体(幽体)というもので包みこまれています。
これがおおまかな人間の構造になります。
このうちの顕在意識というのは、ものを考えたり感じたりする通常の意識で、潜在意識のほうはいわゆる無意識というものになります。
そして特筆すべきは、顕在意識には神の意識と無関係に働ける完全な自由意思があたえられているということです。
人間以外の動物も、自然(宇宙)からはなれてわがままにふるまう自我という意識(顕在意識)も多少はもっていますが、基本的には宇宙の一部としての意識、つまり本能によって行動しています。
意思決定や行動が、ほぼ100%自分の自由意志によって決められるか、それとも宇宙意識(本能)によって大部分を決められるか、これが人間とほかの動物との大きなちがいになります。
このような人間の構造や霊体(幽体)というものについてはまたあとで説明しますが、とにかく顕在意識と魂(ハイヤーセルフ)とは、潜在意識と霊体という2つのカベにへだてられていて自由に交流がしづらい状態になっているのです。
このように顕在意識は神から独立した意識なので、人間は愛、喜び、調和をもたらしてくれる神やハイヤーセルフに心を向けることもできますし、欲望と破壊、暴力、苦痛などをもたらす悪魔のような存在に心を向けることもできるのです。
だから人間は、戦争をしたり人を傷つけたりするのも、富を独占したり、人を差別したり見下したりするのも、神をバカにしたり否定したりするのも、なんでも自由にできるのです。
やりたい放題、好き勝手なことをしても、神が個々の人間にバチを当てたりすることもありません。
神である宇宙意識は、なにをしようが人間のやることに一切干渉しないので、究極の放任主義と言えるかもしれませんね。
それではなぜ、神は人間のやることにいちいち干渉しないのでしょうか。
それは神というのは全能の存在ですから、いちいち自分の手をわずらわせなくてもすむように、この世界に一定のルールを設けて自動的に運行するように作られているからなのです。
そのルールとは自然科学や物理学、天文学などで確認されているさまざまな法則もそうですし、仏教でいう因果応報や六道輪廻などもそうです。
たとえば、『天につばする』という言葉があります。
神をバカにして天に向かってつばを吐きかけても、自然の法則にしたがってつばは自分の顔にふりかかってきますね。
これは神がその人にバチを当てたのではなくて、自動的にそうなるようにこの世がシステム化されているだけなのです。
このように基本的に人間はなにをやっても自由なのですが、自分のやった行為にはそれ相応の責任や結果がともなうようになっています。
これが、因果応報というものになります。
だから、戦争や貧困がなくならないことを神のせいにして欲望のままに傍若無人なふるまいをしていると、いずれ手痛いしっぺ返しをくらうことになるでしょう。
逆に欲望にふりまわされることなく、人や自然にやさしく愛情をもって接する人は、人からも自然からも愛され大切にされるので、病気や災害、犯罪などとは無縁の幸せな生活をおくることができるのです。
これが宇宙と神の真実なのです。
神が人間の世界に干渉しないと聞かされると、
『それじゃ、神に祈ったり、ハイヤーセルフとつながったりしてもなんの助けにもならないじゃないか』
と心配になられた方もいることでしょう。
でも大丈夫です。
神に祈るというのは本来ハイヤーセルフや神(宇宙)とつながるための行為なのです。
ですから、ただしい方法で祈ればあなたと神(宇宙意識)とは一体となることができます。
そして、その瞬間あなた自身が強大なパワーをもつ神となるわけなので、悩みや困りごとなどはたちどころに消えてしまいます。
神がたかだか人間世界のことで悩んだり困ったりするはずありませんからね。
ただし、何千万円もあった借金が瞬時に帳消しになるとか、自分にいじわるをしていた相手がどこかに消えてしまったりするというわけではありません。
あなたを悩ませていた問題が消えるのは、まずは心の中からです。
悩み、苦しみでどんよりと暗くおもたかった心が、一気にスカッと晴れて愛と喜びとで満たされます。
もしそうでなければちゃんと一体化できていないということですから、ただしい方法でやり直す必要があります。
そしてただしく神と一体化できれば、あとはそのままの心で楽しく愛に満ちた生活をしているだけで大丈夫です。
借金はムリのないかたちで返済できてだんだんと減っていくか、突然どこかから大金がまいこむか、仕事で大儲けするか、どのようなかたちになるのかはそれぞれの人によってちがいますが、最終的に借金はなくなってしまいます。
また、あなたにいじわるをしていた相手も、転勤や引っ越しでどこか遠くに行ってしまうか、いじわるをしなくなってあなたにやさしくなるか。あなたが相手よりうえの立場になっていじわるできなくなるか、それとも病気になったり死んだりしてあなたのまえからいなくなってしまうのか、どのようなかたちで解決にいたるのかはあなたや相手の運命によって変わってきますが、とにかくあなたに対するいじわるがなくなってしまうことだけは確実です。
神(宇宙)は人間の世界には干渉しませんが、ただしい方法で祈れば、すなわちあなた自身が神となればどんな問題もかならず解決できるのです。
これがこの世の真理なので、安心してください。
どうでしょうか。『神』という言葉を多用してしまいましたが、宇宙や宇宙意識というよりイメージがわきやすかったのではないでしょうか。
ただ神のパワーが得られるというと、『それなら空中浮揚ぐらいできるだろう』とか、『宝くじで1等を当ててみろよ』などとムチャなことを言う人がいます。
でも、神がいちいち人間世界に干渉しなくてもすむように、一定のルールを設けていることはお話したとおりです。
ですから、神やハイヤーセルフとつながったところで自然の法則に反して身体が宙に浮くことはありませんし、確率を無視して1000万分の1の奇跡が起こるはずもないのです。
人間がただしい方法で助けをもとめた(神とつながった)ときにはかならず問題は解決することはすでにお話したとおりですが、その方法は神自身が定めたこの世の法則をやぶり、おとぎ話やオカルトに出てくるような超常現象をおこしてくれるというものではありません。
自分で決めたことが守れないようなら、そもそも神ではありませんからね。
ですからその助けは、あくまでも自然の法則に従った範囲でのサポートということになります。
さきの例でいうと、もしあなたがなんらかの理由でどうしても空中浮揚をしなければならないとしましょう。
そんなときはたぶん、あなたに宇宙船に乗れる機会が与えられるでしょう。
もしあなたが宝くじで1等を当てなければ殺されてしまうとしましょう。
そんなときはたぶん、1000万枚の宝くじがどこからか、だれからか与えられるでしょう。
まあ実際はそんな必要にせまられることはありえないでしょうし、わたしもそんな奇妙な要求をされたことはないのでどのようなかたちで宙に浮かんだり、当たりくじを手にできたりするのかはわかりませんが、ようするに神(ハイヤーセルフ)の助けというのは、自然の法則や確率にのっとったかたちで与えられるということです。
これで神やハイヤーセルフの実体というのがなんとなくわかってこられたのではないでしょうか。
カンタンに言ってしまえば、神とはこの世を一定の法則にしたがって動かしている宇宙意識(エネルギー)であり、ハイヤーセルフとは人間に分けあたえられ心の奥に宿っている宇宙意識(エネルギー)であるということです。
どちらもまったくおなじものなので、力をかりたいときや助けがほしいときは外(宇宙や自然)に意識を向ける方法と自分の心の内側に意識を向ける方法とがあります。
そんな宇宙意識とつながる方法をこれから紹介していくわけですが、ひょっとすると願望をイメージすれは実現するという引き寄せの法則と混同している方もおられるかもしれません。
たしかに宇宙意識はあなたが幸せな人生を手にいれるために力を貸してくれるのですが、それはかならずしも引き寄せの法則によってというわけではありません。
引き寄せの法則で宇宙意識とつながることもできないではありませんが、ちまたにひろまっている引き寄せの法則のやり方では、むしろ神(宇宙)とはほど遠い邪霊、低級霊とつながって願望をかなえているケースが大半です。
また引き寄せの法則では宇宙のパワーや霊的なパワーと関係なく、ただその人が強烈な欲望にとりつかれて人を傷つけようが、裏切ろうが、蹴落とそうがなにをやっても平気というサイコパス的な性格になって、自力で願望を実現しただけというケースも少なくありません。
このような引き寄せの法則は宇宙意識によるサポートとはまったく違うので、結果的に不幸になってしまうことが大半です。
それでは引き寄せの法則で願望がかなったときに宇宙意識の力が働いている場合とそれ以外の場合とではいったい何がちがうのでしょうか。
そのちがいは宇宙意識の本質を知ることでハッキリとわかります。
そしてそれは宇宙やハイヤーセルフとつながるために必要不可欠な知識になるので、つぎにハイヤーセルフやそのおおもとの宇宙意識の本質についてみていきましょう。
ハイヤーセルフとは、全宇宙に満ちている宇宙意識からわたしたちひとりひとりに与えられた宇宙意識です。
宇宙意識が海だとすると、ハイヤーセルフはボトルに詰められた海水であるというイメージです。
ここはわかりやすくするために、あえて宇宙意識ではなく神という言葉をつかって説明していきますが、神が親だとすれば、その分身である魂を与えられているわたしたち人間は神の子であるということができます。
ただし、人間の親子の場合は肉体も性質もことなる別個の存在であるのに対して、魂(ハイヤーセルフ)と神(宇宙)とはまったくおなじものであるという大きなちがいはあります。
そしてすべての人間が神の子であるということは、人類はみんな兄弟姉妹であり、分身であるということになります。
もしそうであるなら、あなたが親である神様の助けをかりて望みをかなえようとするときに、あなたの兄弟姉妹であり、分身でもある他人を傷つけたり、おとしめたりするような願いをかなえてくれるでしょうか。
そんなはずがありませんよね。
そう。
自分さえよければ人はどうでもいいとか、人の上に立って支配してやろう、人を踏みつけてやろうといったたぐいの願望に神様が力を貸すはずがないのです。
もっと正確に言うと、そもそもそんな神からかけ離れた下劣な願望をもっている時点で、宇宙にもハイヤーセルフにもつながることはできないので力を借りることもできないのです。
どうでしょうか。
これで宇宙意識の実像が、よりハッキリと見えてきたのではないでしょうか。
ここでさらに、ハイヤーセルフ、魂、宇宙意識、神とさまざまに呼ばれる存在の本質を明かしておきましょう。
それは『愛』であり、愛によってもたらされる『喜び』と『調和』なのです。
キリスト教をはじめ多くの宗教では、『神は愛なり』ということがよく言われます。
宇宙の本質も愛であり、あなたの本質(ハイヤーセルフ)も愛なのです。
ただ誤解をしてはいけないのは、そのままのあなた、つまり、いまのあなたの身体と心と霊体は残念ながら愛ではありません。(あなたの心の中が愛、喜び、調和で満たされていなければですが)
むしろ、愛、喜び、調和とは正反対の欲望や邪念、不平不満、怒り、不安、恐れ、あせり、妬みなどで満ちあふれているネガティブな存在であると言えるでしょう。
ハイヤーセルフとつながるというのは、そんなあなたの身体、心、霊体に満ちているネガティブな思いや感情が浄化されて、心の奥底にかくされていたハイヤーセルフ、つまり愛が姿をあらわし、全身に満ちてくるという状態を言うのです。
宇宙意識の本質が愛であるということがわかれば、ハイヤーセルフとつながることでかなう願望はどのようなものなのかということもだいたい見当がついたのではないでしょうか。
ハイヤーセルフが願いをかなえてくれるのは、あなたが心から愛しているものを欲しているときなのです。
たとえば、あなたがどこかのブランドが純粋に大好きでその服やバッグを身につけると心の底から幸せになって、人にも優しくなれるというのであれば、それは手にはいるでしょう。
しかし、とにかく高級ブランドを身につけて優越感にひたりたい、安物の既製品を身につけている人を見下してやりたい、という気持ちで願っているときはかなうことはありません。
そもそも、それはそのブランドを愛しているというより、人を見くだしたり、傷つけたりする武器に利用しようとしているわけですから、ブランドの価値すらおとしめる考えです。
もちろん他人に対しても愛のかけらもありませんので、そんな願いがかなうはずもないでしょう。
これは洋服だけでなく、自動車、家、お金(経済力)、仕事、子育て、健康から権力、地位、名誉にいたるまで、およそ人間が手にいれられるものすべてにおいておなじで、その願望が愛によって裏打ちされているかどうかによってかなうかどうかが決まってくるのです。
子育てなら、とにかく一流校、有名校に行かせようとしたり、進学校で人と争って蹴落としてでも優秀な成績をとらせようとしたりするのではなく、愛するわが子が一番楽しく生き生きと生活でき、まわりの人と愛し愛される良好な関係を築ける学校に行かせたいと願うべきです。
病気を治したいのであれば、まずは自分の体をなによりも愛し、いたわらなければなりません。
そうすると必然的に、酒たばこ、ジャンクフード、スイーツなど身体に害となるものはなるべく避けるようになるので、それだけでも大きく体調が変化するでしょう。
そのうえで病気が治ることを願えば、宇宙のエネルギーが細胞のひとつひとつにまで満ちてきてどんどん健康になっていくのです。
権力、地位、名誉に関しては私利私欲で欲しがる人が大半であり、サイコパス的な性格の人たちが手にいれることをもっとも得意とするところですが、それはしょせんはだかの王様にすぎず、せいぜいいっときの天下におわることでしょう。
心の底から愛する人類のために社会を変えたい、働きたいとの思いで権力の座に就いた人は、宇宙が、ハイヤーセルフが強力なバックアップをしてくれるので、その功績も名誉も永遠のものとなるのです。
このように、宇宙やハイヤーセルフの力をかりて何かを手にいれるには、『愛』だけが唯一の絶対条件となるのです。
ただし、実際は愛と言ってもたんなる執着であることがほとんどなので、あれこれとモノを欲しがるような引き寄せの法則は心を汚してしまう危険性も高いので、あまり利用しないほうがいいでしょう。
本当はそんなことをしなくても神は完璧な存在なので、あなた自身よりもあなたに必要なものを知っていて、なにも要求しなくてもちゃんと与えてくれます。
ですから、つねに心を愛と幸せでいっぱいに満たして、あたえられたものすべてを感謝して受けいれるような生活をおくることをお勧めします。
世間には、愛のかけらもない自己中心的な考えをもちながら、自分の望みをかなえている人もたくさんいます。
人をだまそうが傷つけようがズルをしようが、とにかく成功したものが勝ちなんだ。
大金をかせいで、金のないヤツを見下してやる。
自然や環境なんてどうなろうと関係ない。儲けるためにはなんだって利用してやるぞ。
このような人たちが調子よくいっているのは、サイコパス的性格のおかげであることが大半です。
残念ながらこの世に神は不干渉ですから、あつかましい人間、ずるい人間、汚い人間が多くのものを手にいれられるようにはなっています。
たとえば、先着順でなにかを配っているとき平気で列にわりこんでいける人なら、絶対にもらいそびれることはありませんね。
また、限定品などでひとり1個と制限されているものを5個も10個も買って高額な値段で転売したりすれば、ラクをして大金を手にすることもできますね。
会社や組織であれば、社員に毎日のように長時間のサービスを残業させたり、過労死するまで働かせたり、下請けに無理難題を押しつけたり、立場を利用してリベートを受けとったりと、バレなければいい、法律にひっかからなければ何をやってもいい、といったような企業が栄えている例はすくなくありません。
ようするに、この世は悪が栄えやすいシステムになっているのです。
多くの人がそんなことを身にしみて感じながらも、ただしい立ちむかい方を知らないために人からいいように利用されたり、傷つけられたりしています。
そして悪いことはしないまでも、やさしさや愛をうしない、他人なんか信用できない、自分さえよければいい、金さえあれば世の中うまくわたっていける、といったような個人主義におちいっている人がたくさんいます。
とくに日本ではその傾向が急速にすすんでいて、これが攻略困難な『無理ゲー社会』と言われるほど絶望的な状況になってしまった大きな原因でもあります。
ただ、サイコパス的な性格で多くのものを手にいれても、真の幸せはぜったいに手にいれることはできません。
なぜならば人間が心の底から幸せを感じられるのは、愛する人や動物、もの、環境にかこまれて、またそれらに愛されて、こころ穏やかに楽しく健康な日々を送っているときだけだからです。
サイコパス的な性質が強い人は、人が苦しむのを見てよろこんだり、人を打ち負かすことに快感を感じたり、人の不幸こそが自分の幸せだと感じているかもしれません。
しかし、それは本物の幸せではなく、しょせん脳がつくりだした一時的な興奮であり、錯覚にすぎないのです。
だから、ひとつの刺激に満足できず、つぎつぎと新しい刺激をもとめなければならないのです。
学校や職場でも、いじめ、パワハラ、セクハラをくり返す人がいるでしょう。
またサイコパス的嗜好を満たすための犯罪は、殺人、強姦、幼児への性的虐待、ストーカーなどがありますが、これらはほとんどのケースでくり返されます。
いちど手にいれただけで満足できないのは、それが真の幸せでない証拠なのです。
ですから、たとえサイコパス的性格で成功を手にしても長くはそれに満足できないうえ、まわりの人間も信用できず、だれからも心から愛されることもなく、いつかだれかに仕返しされるんじゃないか、裏切られてすべてを失うんじゃないかと、つねに疑心暗鬼と孤独の中で日々を送ることになるのです。
社会的に成功しているのに、薬物に手をだしたり、アルコールに依存していたり、結婚離婚をくり返したりしている人は、たいていこのパターンの人たちです。
仏教ではこれを餓鬼と言いますが、生きながらにして餓鬼道に落ちてしまっている残念な人たちです。
ですから、愛に裏打ちされたもの、まわりの人を幸せにするものでなければ、『成功=幸せ』ではけっしてないのです。
それからもうひとつ自己中心的な願望でもかなえる方法がありましたね。
邪霊、低級霊を利用しての引き寄せの法則です。
この邪霊、低級霊というのは、まさにここでお話したような人たちが死んだあとになるものなのですが、つぎはこの邪霊、低級霊を利用した引き寄せの法則についても解説しておきましょう。
『邪霊』、『低級霊』を利用する引き寄せの法則のやり方をお伝えする前に、まずはこれら、いわゆる悪霊というものについて説明しておきましょう。
この邪霊、低級霊とはもともと人間なのです。
それがどうして邪霊や低級霊と呼ばれる存在になってしまうのかというと、人間の構造にその秘密があります。
じつは人間には肉体と魂(ハイヤーセルフ)のほかに霊体(幽体、想念体)というのもあって三層構造になっているのです。
ただここで注意していただきたいのは、この霊体というのはハイヤーセルフや魂と同意語の『霊』、おおもとの神(宇宙)からの『分霊』のことではなくて、肉体と魂との間にあって魂を包みこんでいるものになります。
タマゴでたとえると、カラが肉体、白身が霊体、黄身が魂(ハイヤーセルフ)ということになります。
この霊体はほんらいきよらかな空気のように透明で澄みきっているのですが、日々の生活の中で肉体(脳、顕在意識)からわきあがってくる想いや念、欲望や執着、ネガティブな感情などがはいりこんでだんだんとくもってきます。
ちょうど生タマゴの白身が熱をくわえられて白く色づいてくるような感じですが、タマゴとちがうのは不透明にくもってしまってもふたたび透明な状態にもどすことができることです。
人間が死んで肉体をうしなったあとにこの霊体が澄みきった状態であれば、魂(ハイヤーセルフ)はそのまま宇宙と同化することができます。
これを仏教では成仏とか極楽往生、神道では帰神と言い、生きたままこのような状態になることを解脱と言います。
逆に、執着や欲望、恨み、怒りといったドロドロの想念、怨念が霊体にはいりこみ魂のまわりにべっとりとまとわりついている状態で死んでしまうと、それぞれの想念の種類におうじて地獄道。餓鬼道、畜生道、修羅道といったところに行くのですが、この世につよい執着をもっている場合は、肉体をうしなった霊体が魂を包みこんだまま幽霊となってこの世に漂ってしまうことになります。
そんな幽霊の中でも、人に危害をくわえようとか、人の不幸が自分の幸せといったような邪悪な念をもっているのが邪霊、つよい執着や欲望、恨みなどにまみれた想いをもっているものが低級霊となります。
そしてこれらは、おなじ波長(念、欲望)をもつ人間によってくるのです。
そんな邪霊、低級霊になって地獄のような世界をさまよいつづけないためにも、ほんらい人間は死ぬまでにできるかぎり欲望や執着をすてて心身を清めておかなければなりません。
もちろん人間である以上、欲や執着をゼロにはできないのでほとんどの人が多かれ少なかれ霊体のにごりはもったまま死ぬことにはなりますが、少々のにごり(これを神道では穢れと言います)であれば49日ほどで浄化されて魂はぶじ宇宙にもどることとなります。
この霊体が浄化されるまでの期間を忌中とか喪中と言います。
このように神道や仏教の思想、行事にはちゃんとした真理にもとづいた理由があるのです。
話をもどすと、人間には霊体というものがあってこれが清らかに澄んでいなければ、魂(ハイヤーセルフ)は霊体にとじこめられたままになってしまいます。
ですからハイヤーセルフとつながるためには、まず肉体(心身)と霊体とを清めることが必要不可欠なのです。
このことからも、欲望や悪心にまみれた願望実現にハイヤーセルフのサポートはえられないという理由がおわかりいただけるかと思います。
そのかわり、そのようなけがれた願望実現を手助けしてくれるのが、邪霊、低級霊ということになります。
もちろんこれらは善意から力を貸しているわけではなく、人の不幸を見るのが楽しみとか、人をおとしめて自分の優位性を確認したいといった理由で協力しているだけなので、あなたが願望を実現して喜んでいると今度はターゲットをあなたにさだめて不幸におとしいれようとしてきます。
そのため、邪霊、低級霊を利用しての引き寄せの法則は、最終的には不幸な結果におわってしまうことがほとんどなのです。
いわゆる『バチが当たる』とか、『人を呪わば穴二つ』ということですが、これらはけっして迷信ではなく、ちゃんとした原理があったのです。
ただし、言うまでもないことですがバチを当てるのは神様ではありません。神(宇宙)は人間には干渉しないのでしたね。
バチというのは、あくまでも邪霊、低級霊を利用した自業自得なのです。
結局、愛をもって願うとおなじ愛の波動をもつハイヤーセルフ(宇宙意識)のパワーで願望が引き寄せられる、自己中心的で下劣な欲望をもって願うとおなじ波動をもつ邪霊、低級霊がよってきて力をかしてくれる、というのが引き寄せの法則の原理なのです。
邪霊、低級霊を利用した引き寄せの法則は危険きわまりないのですが、そのような事実を知ってもなお、『不幸になろうがどうなろうがかまわない。一時でも成功したいんだ。望みをかなえたいんだ』という人もいるかもしれませんね。
本当はそんな人たちに知恵を貸すことはしたくないのですが、ハイヤーセルフとつながる方法をただしく理解してもらうためには、その対極である邪霊、低級霊をつかった引き寄せの法則についても知っておいてもらったほうがいいと思います。
そこでごくカンタンにではありますが、あえて邪霊、低級霊を利用する引き寄せの法則についてもお話ししておきましょう。
引き寄せの法則で邪霊や低級霊の力を借りて願望をかなえたいのであれば、事故が多発している心霊スポットや自殺の名所、墓場などで瞑想して、願望をイメージしつづけることです。
そのような場所には、穢れにまみれて成仏できない邪霊、低級霊がうようよいます。
そして、あなたの願いに波長があった邪霊、低級霊がよってきて、とりつき、陰ながらあなたをサポートしてくれるようになります。
西洋ではむかしから人を呪ったり、邪悪な願いをかなえたりするための黒魔術というものがありますが、これは墓場で儀式をおこなったり、いけにえとして儀式の中で生き物を殺したりします。
日本でも丑の刻まいりというのがあり、これも邪霊、低級霊を呼びやすい場所や時間をえらんで行いますね。
これらはどちらも死んで幽霊となった人や動物の力を借りる呪術なのです。
もちろん、人間を超えた力を利用するからといってもさすがに世界征服みたいな壮大な願いはかなうはずもありません。
個人レベルで誰かを呪うとか、事業を成功させる、大金持ちになるといったていどのものにはなりますが、このようなかたちで100日ほど願かけをするとたいていの願いはかなうでしょう。
この引き寄せの法則は本当に危険なのでお勧めはできません。
できれば、愛の心をもってハイヤーセルフとつながって真の幸せを手にいれる引き寄せの法則のほうを実践していただきたいと思います。